検索の生成AI設定とは?「AIに表示させない」を選ぶ前に知っておきたいこと
Googleが、自社サイトのコンテンツをAI回答に載せるかどうかを選べる設定を用意しました。「Search Console 検索の生成AI設定」です。
結論から申し上げると、多くの中小企業にとっては「除外しない」が基本です。除外しても、他社の情報からAI回答はつくられ続けます。止まるのは情報の流通ではなく、自社の名前が出る機会のほうだからです。
この記事では、この設定で何が起き、どんなときに検討の余地があるのかを、Googleの公式情報にもとづいて整理します。
【結論】検索の生成AI設定とは?中小企業は「除外しない」が基本

検索の生成AI設定でできること
「検索の生成AI設定」は、Search Consoleから操作できる設定です。AIによる概要(AI Overviews)やAIモードといった、Googleの生成AI機能に自社サイトのコンテンツを表示させるかどうかを、サイト運営者側が選べるようになりました。
これまでは「AIに引用されるかどうか」はGoogle側の判断に委ねられていました。そこに、初めて選択権が渡されたかたちです。
なぜ「除外しない」が基本なのか
理由はシンプルです。除外は「守り」として機能しにくいからです。
除外を選ぶと、AI回答のなかに自社サイトへのリンクが出なくなります。その機能を経由した訪問者も、ゼロになります。一方で、同じテーマについて書いている他社のページは、これまでどおりAI回答の材料として使われ続けます。
つまり、AI回答は変わらず生まれるのに、そこに自社の名前だけが載らなくなる。これが除外の実像です。
除外すると、具体的に何が起きるのか
Googleのヘルプでは、除外を選んだ場合に起きることが3つ示されています。順に見ていきます。
AI回答の中にサイトへのリンクが表示されなくなる
生成AI機能のなかで、自社サイトへのリンクがユーザーに示されなくなります。AI回答を読んだ人が「詳しくはこちら」とたどってくる経路が閉じる、ということです。
AI回答の根拠としてコンテンツが使われなくなる
サイトからクロールされたコンテンツが、AI回答やプレビューを生成するための入力情報として使われなくなります。「うちの文章がAIに使われるのは避けたい」という感覚に応える部分は、ここです。
これらの機能を経由した流入がゼロになる
生成AI機能を通じたインプレッション(表示)もトラフィック(訪問)も発生しなくなります。数字として、まるごと消えます。
なお、この設定が影響するのは生成AI機能に表示するかどうかだけで、Google検索の他の部分には影響しません。通常の検索結果から外れるわけではない、という点はご安心ください。
見落とされやすい事実 — 除外しても、情報は止まらない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
Googleのヘルプには、除外の説明に続けてこう書かれています。他のサイトのコンテンツは引き続きこれらの機能で利用されるため、自社のコンテンツと類似したものが表示される場合はある、と。
たとえば「久留米 外壁塗装 相場」と質問した人に対して、AIは何らかの回答を返します。自社が除外していれば、その回答は他社のページを材料につくられます。回答が消えるわけではありません。自社の名前が出る枠が、他社に譲られるだけです。
守りたかったのが「文章そのものを使われないこと」であれば、除外には意味があります。けれども守りたかったのが「お客様との接点」であれば、除外はむしろ接点を手放す行為になります。
この設定は、情報を止めるスイッチではなく、名乗るかどうかのスイッチです。 ここを取り違えないことが、判断の出発点になります。
それでも除外を検討する余地があるのは、どんな場合か
とはいえ、除外が常に不利かというと、そうとも限りません。次のような場合は、検討の余地があります。
- 会員向け・限定公開に近い性質の情報を、やむを得ずインデックスさせている
- 文脈を離れて要約されると誤解を招きやすい情報(料金の前提条件、専門的な注意事項など)を多く含む
- 業界の規制やコンプライアンス上、要約による表現の変化を避けたい事情がある
ただし、いずれの場合もサイト全体をまるごと除外する前に、該当ページの扱いを見直すほうが現実的です。誤解を招きやすいのであれば、前提条件を本文に書き足すほうが、多くの場合は効果的です。
除外は、いつでも元に戻せます。それでも、いったん外している期間の露出は戻ってきません。慎重に構えて損はない、という性質の設定です。
なお、この設定はサイト(プロパティ)単位で適用されます。「このページだけ除外する」という細かい指定はできず、丸ごとの判断になります。だからこそ、まずはページ側の書き方を見直すほうが現実的なのです。
判断材料になる「生成AIパフォーマンスレポート」
判断には材料が要ります。Googleは2026年6月3日、Search Consoleに「検索の生成AIパフォーマンスレポート」を導入しました。
Search Consoleで何が見られるのか
このレポートには検索とDiscoverの専用レポートが含まれ、生成AI機能のなかで自社サイトがどれだけ見られているかを把握できます。これまでほとんど見えなかった領域に、初めて公式の数字が入りました。
実際の画面を開くと、まず気づくことがあります。指標が「合計表示回数」ひとつしかないのです。通常の検索パフォーマンスレポートに並んでいる「クリック数」「CTR」「平均掲載順位」は、現時点では表示されません。期間は24時間・7日間・28日間・3か月から選べ、レポート名の横には「ベータ版」と添えられています。

つまり、いま分かるのは「どれだけ見られたか」だけです。「そこから何人が来てくれたか」は、このレポートからは読み取れません。この片側だけしか見えない状態が、後半でお伝えするGA4との併用が要になる理由です。
なお、Google自身も、生成AI設定を変更した場合にサイトへのトラフィックがどう変わるかを把握するために、このレポートを使うよう案内しています。2つの機能は、対で使うことが想定されているわけです。
自社の画面に表示されていない場合はどうするか
段階的な展開のため、まだ表示されないアカウントもあります。表示されていなくても異常ではありませんので、ご安心ください。
待っている間にできる準備は、あります。AI回答に引用されやすいページの条件は、特別なものではありません。
- 各見出しの直後に、結論が一文で書かれている
- よくある質問(FAQ)が、質問と答えの形で整理されている
- 数字や条件が、表や箇条書きで確認しやすい
- 自社にしかない事例・実績が具体的に書かれている
- 更新日が明示されている
表示されるようになった日に、見るべきページがすでに整っている。この状態をつくっておくことが、いちばんの準備です。
クリックされる前と、クリックされた後。両方を見る
AI検索の数字は、2か所に分かれて存在します。
| 見る場所 | 測っているもの | 段階 |
|---|---|---|
| Search Console(生成AIレポート) | AI回答に表示された回数 | クリックされる前 |
| GA4(AI Assistantチャネル) | AI経由で実際に訪問した数 | クリックされた後 |
AI検索では「見られたのに、クリックされない」が構造的に起こります。表示だけを見ても、訪問だけを見ても、片側しか分かりません。
GA4側の確認手順については、別の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧いただくと、AI検索の入口から出口までがつながって見えてきます。
よくあるご質問
Q. 「検索の生成AI設定」で除外すると、通常のGoogle検索にも影響しますか?
影響しません。この設定が影響するのは、生成AI機能に自社のコンテンツを表示するかどうかだけで、Google検索の他の部分には影響しないとされています。ただしAIによる概要は検索結果の上部に表示されるため、ユーザーから見た露出感は変わり得ます。
Q. 除外すれば、自社の情報がAIに使われなくなりますか?
いいえ。自社サイトからのクロール内容は使われなくなりますが、他のサイトのコンテンツは引き続き利用されるため、自社と類似した内容がAI回答に表示される可能性は残ります。止められるのは、自社サイトからの引用とリンク表示です。
Q. 生成AIパフォーマンスレポートが表示されないのですが、問題でしょうか?
問題ありません。段階的に展開されているため、まだ表示されないアカウントがあります。表示を待つ間に、結論を先に書く・FAQを整えるといったページ側の準備を進めておくことをおすすめします。
Q. 除外を検討した方がよいのは、どんな場合ですか?
限定公開に近い情報を扱っている場合や、文脈を離れて要約されると誤解を招きやすい情報が多い場合です。それでも、サイト全体を除外する前に、該当ページの書き方を見直すほうが現実的です。
まとめ — 選ぶ前に、自社の現在地を知る
「AIに載せる」「載せない」。選択肢が増えたことは、本来ありがたいことです。けれども選択肢は、判断材料とセットでなければ迷いを生むだけになってしまいます。
多くの中小企業にとっては、除外しないことが基本です。そのうえで、自社が今どれだけ見られているのかを、Search ConsoleとGA4の両方から確かめる。判断は、そこからで遅くありません。
設定ひとつで守れるものは、実はそれほど多くありません。最後にお客様の信頼を得るのは、誰が書いたか分かる、責任のある言葉です。
AI時代こそ、人間力。自社の言葉で、自社の名前で語り続けることが、これからいっそう効いてきます。
Search Consoleの見方や、AI検索を意識したページの整え方について、ご相談を承っています。「うちのサイトは今どう見られているのか」を一緒に確かめるところから、お手伝いいたします。
【出典】
- Google, “Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入,” Google Search Central Blog, 2026年6月3日.
- Google, “検索の生成 AI 設定,” Search Console ヘルプ.
