ファネル設計はもう古い?Googleが提唱する「情報ドリフティング」と中小企業のAI時代Web戦略

ビーチの風景を背景に、左側に「ファネル設計はもう古い!?」「Googleが提唱する「情報ドリフティング」」「中小企業のAI時代Web戦略」というテキスト。右側に、人がスマートフォンを操作しており、そこからGoogle検索窓、Facebook、X (Twitter)、Instagram、TikTok、YouTubeなどのSNSアイコンがドリフティングしているイラストが配置されたアイキャッチ画像。

スマートフォンやAIの進化により、お客様の購買行動は大きく変わりました。「情報ドリフティング」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか? この記事では、2025年にGoogleが提唱した「情報ドリフティング」という概念を解説し、地方の中小企業が明日から取り組めるWeb戦略について、わかりやすくお伝えします。

【結論】情報ドリフティングとは?中小企業が今すぐ見直すべきWeb戦略

スマートフォンの普及からAI時代へ。直線的な購買プロセス(ファネル)の崩壊

かつて、マーケティングの世界では「認知→興味・関心→比較・検討→購入」という直線的な流れ(パーチェスファネル)が前提とされていました。しかし、スマートフォンが普及し、誰もがいつでもどこでも情報にアクセスできるようになったことで、この直線的なプロセスは崩壊しつつあります。気になった瞬間に検索し、そのまま購入まで至る「パルス消費」が2019年にGoogleから提唱されたのも、その変化の一つです。

結論:お客様は「情報の海を漂い、最善の根拠を探している」

そして2025年、Googleはさらに進化した生活者の行動を「情報ドリフティング」と名付けました。ドリフティングとは「漂流」という意味です。お客様は、膨大な情報があふれる海の中で、検索、動画、SNSを行き来しながら、最終的に「これが自分にとって最善だ」と納得できる根拠を探して漂っているのです。

図解・比較表でわかる「パルス消費」から「情報ドリフティング」への変化

ジャーニー消費・パルス消費・情報ドリフティングの購買行動比較図

従来の「ジャーニー型」、2019年の「パルス型」、そして現在の「情報ドリフティング型」の違いを表にまとめました。

従来型・パルス型・情報ドリフティング型の比較表

行動モデル購買プロセス情報収集の仕方購買の決め手 
従来型(ジャーニー消費)認知から購入まで一直線テレビ、雑誌、PC検索など機能、価格、ブランド
2019年〜(パルス消費)瞬間的な欲求で即時購入スマホでの検索、SNS直感、利便性、感情の動き
2025年〜(情報ドリフティング)順不同で受動と能動を繰り返す検索・動画・SNSを横断納得できる「最善である根拠」
※Googleの調査レポート「情報ドリフティング」を基に作成

情報ドリフティングを行う生活者の3つの特徴

検索・動画・SNSを横断して情報収集するユーザーのイメージ

情報ドリフティングを行うお客様には、大きく3つの特徴があります。

1. プラットフォームに縛られない(検索・動画・SNSの横断)

お客様は、Google検索だけでなく、YouTube(Streaming)を見たり、InstagramやTikTok(Scrolling)を眺めたりと、複数のプラットフォームをシームレスに行き来(Searching)しながら情報を集めています。

2. 買う順番はバラバラ(受動と能動の行き来)

「認知→検討」といった順番通りには進みません。SNSでおすすめされた動画を受動的に見ていたかと思えば、気になったキーワードを能動的に検索し、またSNSに戻るなど、予測不可能な動きをします。

3. 最後に背中を押すのは「最善である根拠」

膨大な情報に触れているからこそ、「本当にこれでいいのか?」という不安も抱えています。最終的な購入の決め手となるのは、価格の安さだけではなく、「なぜ自社(自分)にとってこれが一番良い選択なのか」という納得感(最善である根拠)です。

地方の中小企業が明日からできる3つの具体策

中小企業のGoogleビジネスプロフィール活用と温かみのある情報発信

では、この「情報ドリフティング」時代において、地方の中小企業はどのような対策を打てば良いのでしょうか。

専門用語を捨て、「経営のことば」「お客様のことば」で語る

お客様は専門家ではありません。難しい専門用語を使わず、お客様の日常にある言葉や、経営課題に直結する言葉で情報発信をしましょう。「AIがどれだけ進化しても、最後に事業を動かすのは人」です。お客様の心に寄り添う言葉選びが、納得感を生み出します。

接点を面で捉える(Googleビジネスプロフィール、SNS、公式サイトの連携)

お客様は様々なプラットフォームを行き来します。公式サイトだけでなく、GoogleビジネスプロフィールやSNSアカウントを連携させ、「どこから見られても、一貫したメッセージが伝わる」状態(面での接点)を作りましょう。

特に、GeminiとGoogleビジネスプロフィールの連携が始まった現在、これをしっかり活かしていきましょう。

【FAQ】AI時代の情報発信についてよくあるご質問

Q. BtoB企業でも、情報ドリフティングは起きますか?

A. はい、起きます。企業間取引であっても、担当者はSNSや動画、検索を駆使して情報を集め、「なぜこの会社に依頼すべきか」という社内説得のための根拠を探しています。

Q. 限られた予算と人員で、何から始めるべきですか?

A. まずは「Googleビジネスプロフィール」の情報の充実(写真や投稿の更新)と、自社サイト内の「よくある質問(FAQ)」の整備から始めることをお勧めします。お客様が探している「根拠」を先に提示することが重要です。

まとめ:AI時代こそ、人間力。温かみのある情報発信で選ばれる企業へ

情報ドリフティング時代のお客様は、情報の海を漂いながら、信頼できる「人」や「企業」を探しています。テクノロジーやAIを最大限に活用しつつも、発信するメッセージには「温かみ」や「誠実さ」を込めましょう。

AI時代こそ、人間力。専門用語をわかりやすく翻訳し、お客様の心に届く情報発信を続けていくことが、選ばれる企業への第一歩です。


【情報源】

Google, “Google の日本での調査 5 本を時系列で振り返る —— パルス消費から情報ドリフティングへ,” Think with Google, 2026年7月.