【2025年トレンド・中小企業 推し活】価格競争を抜け出す、これからの「愛され戦略」
機能で勝てない時代の「新しい戦い方」
今年も残すところあと2週間。2026年の戦略を練り始めている経営者の方も多いのではないでしょうか。
Webプロデューサーとして多くの企業様のご相談に乗る中で、最近特によく耳にするお悩みがあります。 「以前より良い商品を作っているのに、なぜか反応が鈍い」 「結局、価格が安い大手に流れてしまう」
もし今、あなたが同じ壁を感じているなら、それは「選ばれる基準」が変わってきているサインかもしれません。
2025年、ビジネスの世界で静かに、しかし爆発的に広がったキーワードがあります。 それは「推し活」です。
「アイドルの話でしょ?」と思われた方こそ、ぜひ続きを読んでみてください。これは、私たち中小企業が価格競争から抜け出すための、最も現実的で温かい戦略の話です。
なぜ今、ビジネスで「推し」なのか?
結論から申し上げると、これからは「機能」で選ばれる会社ではなく、「あなただから頼みたい」と推される(応援される)会社が生き残ります。
データで見る「推し活経済」の衝撃
今、日本国内で「推し活」をしている人の人口は約1,384万人に達しています(推し活総研調べ)。これは国民の約10人に1人以上が、何らかの対象を熱心に応援している計算になります。
さらに注目すべきは、その市場規模と熱量です。
- 市場規模: 約3兆5,555億円(推計)
- 年間消費額: 1人あたり平均約3万7,000円以上(矢野経済研究所調べ)
物価高で多くの人が財布の紐を締める中、「応援したい」という感情が動く場所には、これだけ大きなお金が動いているのです。

【例え話】行きつけの定食屋さんの法則

これをビジネスに置き換えてみましょう。皆さんの近くにも、こんなお店はありませんか?
味は「最高級」ではないけれど、なぜか通ってしまう定食屋さん。 そこには、「おばちゃんの元気な顔が見たいから」「一生懸命やっているから応援したい」という理由があるはずです。
これこそが「推し活(=情緒的価値での選択)」の正体です。 スペック(味や価格)の比較ではなく、ストーリー(人や背景)への共感でお店を選んでいるのです。
(私も殆どがこの理由でお店を選んでいます)
中小企業が「推し」になるための3つのポイント
「大企業のような派手なブランディングなんて無理だ」 そう思う必要はありません。むしろ、「推し活」は顔が見えやすい中小企業の方が圧倒的に有利です。
2026年に向けて意識すべき、3つのシフトチェンジをご提案します。
ブログやSNSの情報発信で意識してみてください。
①「完成品」ではなく「プロセス(物語)」を売る
AIがきれいな文章や画像を生成できる時代、完成されたコンテンツの価値は下がり続けています。 逆に価値が上がっているのが、人間にしか語れない「プロセス(過程)」です。
- これまで: 成功した実績だけを綺麗に見せる
- これから: 開発中の苦労、失敗談、試行錯誤の裏側を見せる
「実はこの商品、完成までに3回も失敗したんです…」というブログ記事の方が、完璧な商品ページよりも読者の心を動かし、「完成したら買いたい!」という応援を生みます。
②「何でも屋」より「偏愛」を語る
「誰にでも合います」という言葉は、誰の心にも刺さりません。 a.designもそうですが、中小企業の強みは「偏愛(ニッチなこだわり)」にあります。
「ネジのことなら誰にも負けないくらい好きです」 「この素材の産地にこだわりすぎて、採算度外視で現地まで行きました」
そんな狂気にも似た情熱を見せたとき、人はその会社を信頼し、ファンになります。「好き」の熱量は、必ず画面越しに伝わります。
③ 顧客を「お客様」から「仲間」に変える
推し活の本質は「参加すること」です。 一方的にサービスを提供するのではなく、お客様をビジネスの「仲間(パートナー)」に巻き込んでしまいましょう。
- SNSで新商品の色をアンケートで決める
- お客様の声を商品開発にそのまま反映する
「あ、私の意見が採用された!」という体験は、その人を一生のファンに変える力を持っています。

従来型マーケティングとの比較
| 特徴 | 従来のマーケティング(狩猟型) | これからの推し活マーケティング(農耕型) |
| 重視する価値 | 機能的価値(安い・早い・便利) | 情緒的価値(楽しい・応援したい・好き) |
|---|---|---|
| 顧客との関係 | 売り手と買い手 | 仲間・パートナー |
| 発信内容 | スペック、メリット、完璧さ | ストーリー、想い、人間味 |
| 目指すゴール | 売上・購入 | 信頼・ファン化・LTV向上 |
まとめ:2026年は「人間味」を武器にする
Googleの検索エンジンも近年、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を重視しており、特に「あなた自身の経験」に基づいた発信を高く評価するようになっています。
つまり、「推されるための発信」は、人の心を掴むだけでなく、Web集客(SEO)においても最強の武器になるのです。
【今日からのアクション】
まずは、自社サイトの「代表挨拶」や「スタッフ紹介」を見直してみてください。 経歴や資格だけが並んでいませんか?
そこに、
- なぜこの仕事をしているのか
- どんな想いで日々向き合っているのか
そんな「あなた自身の言葉」を少し加えてみてください。 2026年、あなたの会社がたくさんの「推し」に囲まれる一年になりますように。
参考データ出典
- 推し活総研「第2回推し活実態アンケート調査」(株式会社CDG)
- 矢野経済研究所「オタク市場に関する調査(2024年)」


